2008年2月7日木曜日

朝型生活のススメ

最近、朝型に変えてみた。

生活時間の話である。研究者というと、一日中寝食忘れて実験に没頭したり、本に頭を突っ込んでいたりという人種を想像する向きも多いと思うが(実際そういう研究者もいると思うが)、いかにして自分の生産性を高く保つか、ということは他の業種と変わることなくとても大事なポイントである。実験研究者となれば、積み上がった実験をできる限りのスピードでこなすことが要求される。いわゆる「土方仕事」さながらである。

実験とは仮説を検証する過程であり、仮説というのは往々にして10個に1個も当たらないので、「当り」を引くまで、とにかくいろんな仮説を検証することになる。当然、膨大な実験量をこなすことになり、そのほとんどはネガティブデータとなるわけであるが、「当り」を引くためには避けて通れない。当りを引いたら引いたで、今度は様々な角度から様々な方法で検討を加え、「本当らしい」ことを何が何でも示さないといけない。とにかく、自分の生産性にムラがあるようでは、コンスタントに実験量をこなすことができないのである。しょっちゅう故障する機械が置いてある工場のようになってしまう。常に最大の生産性を目指す必要がある。そして、人間が最も生産性の高い状態を維持し続けるためには、規則正しい生活パターンを身に着けて実行するのが最良と判断したのである。

しかしそんなことはずっと前から分かっていた。研究の現場に身を投じてからもうすぐ丸6年になるが、これまで何度となく「朝型生活」を目指してトライしたものの、三日坊主が続くばかりだった。「朝早く起きる方法」「朝型でライバルに差をつける!」といった類の本は沢山出ているので、そういうのを買ってきていろいろ試したがやっぱり続かなかった。

何で今回に限ってこんなにすんなり朝型に変えられたのか?きっかけは、最近本で見つけた次のような言葉である。「良い行動パターンは習慣化することで自分のものとなる。習慣化のためには、強い動機付けと規律が必要である」「自己実現のためには、自分が守るべき規律を作って、例外なくそれに従うことが大事である」大まかにこういう内容である。要するに、習慣化させるぞという意思と、それを保つためのバックグラウンドが無かったのだ。

で、そのために必要な「動機付け」、今回こちらも良いタイミングで得ることができた。一週間を168時間とみなす、という某ビジネス書のタイトルである。これを元にこれまでの生活時間を算出してみると、かなり危機的な数字が出てきた。週のうち、2日半ぐらいを睡眠に使う一方で、研究に当てる時間
(ラボにいる時間)が週の半分もないのである。週の半分というと84時間である。世の中には平気で一日17時間くらいラボにいるような人もいるそうだし、週100時間以上仕事している人も沢山入るので、週の半分でもかなり恥ずかしい数字である。やはり危機感というのは、モチベーションとして最も有効な類らしい。

日曜日に少し休息をとって、生活費の足しに行っている週一アルバイトもあるので、いろいろ計算した結果、平日に最低14時間はラボにいないと達成できない数字であることが分かった。14時間くらいはそんなに大した時間でもないはずなのだが、かなり規則正しい、無駄を極力省いたスケジュールで動かないとこれがなかなか難しい。

そういうわけで、朝7時半~8時前(今まではどんなに早くても9時~10時)から夜10時前まで仕事をし、12時前に寝るようなスケジュールにした。睡眠時間を抑え、睡眠の質を上げるためには早寝早起きが一番(例外なヒトも沢山知っているけど)である。この「寝る時間」をコントロールできないと朝起きれないので重要なポイントである。思えばこれまでの挫折では、「起きる時間」ばかりに意識が向いていた気がする。生活というのは「環」であるなあと実感。

そろそろ3週目に突入するが、仕事の効率が大幅に上がった気がする。あとはどこまで続けられるか、そしてあと30分くらいは仕事時間を延長できないか、というところで今いろいろと模索している。一日30分稼ぐと、週当たり3時間半も違うのだ!簡単な実験がもうひとつこなせる時間である。

しかし、実感として、この30分は大きな壁だ。結局は睡眠時間に影響が・・・。

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