2025年3月2日日曜日

米国・日本の研究環境の変動

トランプ政権発足後、米国の予算カットが急速に進み、研究環境が激変していますね。Nature, Science誌はじめ毎週のように取り上げられています。この影響で、数千人もの連邦政府の科学者が解雇対象に。この解雇は、保健福祉省(HHS)を中心に、米国農務省(USDA)、国立科学財団(NSF)など、多くの機関に影響。解雇対象者には、試用期間中の職員だけでなく、最近採用されたベテラン科学者や、政府機関に引き抜かれたばかりの経験豊富な研究者も含まれているそうです。

‘Wrecking ball’: RFK Jr. moves to fire thousands of health agency employees

Mass firings decimate U.S. science agencies

‘It is chaos’: US funding freezes are endangering global health


実際にSNSでも解雇された職員の悲痛なツイートが




解雇に加え研究機関の資金レベルも不確実に。私の周囲でも留学などの計画に影響が出ている方が出始めています。

研究者の雇用だけでなく、米国NIHへの間接経費のカットにより、飼育されいてる実験動物の維持も困難になる可能性が。

‘Death by ax’: Fate of millions of research animals at stake in NIH payments lawsuit


科学と科学研究活動は現代社会の重要なインフラであり、近代国家で生活をしていて恩恵を受けていない人はいないはずですが。それでも社会制度や政治にこれほど振り回されるということを目のあたりにして結構な衝撃を受けています。

もちろん制度設計をうまくやれば逆に強化することも可能なはずです。東京大学の合田圭介先生たちが中心になり、日本の科学を再興するにはどうするか、と言う観点から、ファンディングシステムの改革をNature誌に提言されています。私も署名者の一人として参加しました。

Japan can be a science heavyweight once more — if it rethinks funding


(2025.3.3)



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